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サービスタイムを考える

  • cou
  • 2020年8月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:2020年11月25日


サービスタイムは販促ですよ

カフェで売れる商品って何でしょう?

勿論、コーヒーや紅茶がバンバン売れてくれれば何も文句はないわけです、喫茶なんで。

でも、このご時世ですから、モーニングやランチをやらないとお客様を獲得するのは難しいですよね。

特に新規オープンするお店だと尚更です。


しかし本来、モーニングやランチはサービスタイムでの特殊な営業なんですよ。つまり、通常よりも価格を抑えて、一定時間に多くのお客様に利用してもらうという目的があります。何のために?お店を知ってもらうためです。いわば、販促にあたる行為なんです。


モーニングやランチでお店を利用して頂いて、気に入ってくれたら、それ以外の時間帯でも更に利用して頂くためです。この販促、利益を度外視してもよいかというと、そんなことはあるわけもなく、モーニングにしろランチにしろ、それなりの利益というものは上げなくてはなりません。

ただし、サービスタイムとしての営業なわけですから、原価率はあがりますし、当然、粗利は少なくなります。


しかし、コスパがいいお店という事で、そういった時間帯にお客様が押し寄せます。お店は頑張ってモーニングやランチを提供していきます。サービスタイムが終了しました。売り上げを見てみます。


「えー!こんだけ?あんなに頑張ったのに?」「いやいや、そもそもこんなもんか、、、」と。


出数はそれなりなんですが、利益率が低いので何とも効率が悪いですよね。値段を上げてしまえばサービスタイムではなくなってしまい、客足が止まると。


どうすればいいんですかね?


モーニングやランチタイムだけしか開けてないお店、ありますよね?夜の商売をしてるところが多いですが、副業的にやってるようなお店です。お客様が確実に入るとこだけを狙い打って、多少効率が悪くても少しでも利益に変えようという考えです。

家賃というものは一日中発生してるわけですから、閉めておくのはもったいないですからね。ただ、深夜まで営業していないカフェなどの場合は、メインは昼間ですので、こういった営業はできないと思います。


11時半から15時までの3時間半をランチタイムとして営業しているとします。ランチは平均で30食、スープ、サラダ、ドリンク付きのパスタランチで原価は全部で400円かかるものを1000円で提供。スタッフは3人で、時給は1000円とします。


ランチタイムの売り上げは

30×1000=30000円


ランチの原価は

400×30=12000円


その時間の人件費は

3.5×1000×3=10500円


FLコストは

12000+10500=22500円


FL率は

22500÷30000×100=75%


売上に対する原材料費、人件費の比率は30%が目安だとしたらFL率は60%になりますので、15%も多いということになります。


売上だけ見れば、ランチタイムという限られた時間での3万円はまぁまぁかなと思いがちですが、たった7500円の利益しか上げていません。


もし、お店がランチタイムしか売上げが伸びないとしたら、ランチタイムを延長したいと考えると思いますが、効率の悪い時間を多く作ってしまうだけです。

ランチでの売上比率が全体の30%くらいであればよいのですが、50%を越えるようなら、たぶんお店は赤字だと思います。先ほどの例だと


ランチの売上比率が50%なら、一日の売り上げは

30000÷0.5=60000円


一ヶ月だと180万円


人件費が一日25000円としたら、75万円かかりますので、人件費だけで40%を越えます。


たぶん、これは体感的にわかっていると思いますが、モーニングやランチが利益効率の悪い商品を多く出す作業であるということを覚えておくと良いと思います。時間帯別の売上比率を見てみるとわかるのですが、利益を出してるお店はランチ以外の時間帯にランチの2倍以上の売上をあげています。つまり、効率の悪い時間帯は販促と割り切り、そこそこにして、本来の営業で利益を出すということですね。

ここで、「じゃあ、ランチやモーニングをやめればいいじゃん!」と思いますよね?当然の考えだと思います。実際、カフェでランチをやってないお店も多くあります。無駄なコストを増やさない営業で、それはそれでアリだと思います。

しかし、立地的にサービスタイムを設けた方がよい場合もあります。オフィス街や学生街などですね。また、全体の価格を抑えることで、常にサービスタイムを実現しているお店もあります。


ランチやモーニングなどのサービスタイムを設けるのが一概に悪いことではなく、きちんとした優位性を確立してやるというのが大事になります。隣がやってるからウチもではなく。コストと収益のバランスを見てという事ですね。


個人的には、サービスタイムはスタッフの疲弊度や仕込みなどの余計な労働を強いることを考えたら、なくてもよいと思います。特にカフェのような単価の低い商売では、限られた時間のためにサイドメニューを付けなくてはなりませんから、作業効率も落ちますしね。


それでも、「ランチやらないとお客さん来てくれないんですよ」と思っている方たちは一定数いると思います。では、一度サービスタイムのメニューを頭から外してください。


何が残りますか?その残ったもので商売ができますか?


それが答えです。


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