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アウトプット

  • cou
  • 2022年3月13日
  • 読了時間: 3分

人に何を伝えるか

現代は情報社会です。そして、様々な伝達手段があります。


会社組織ではよく「ほうれんそう」と言いますが、「ほうこく」「れんらく」「そうだん」のことです。SNSが広く利用されるようになって、「ほうれんそう」にもそういった手段が使われるようになりました。

「グループラインで共有ね」が合言葉になっている組織も多い事でしょう。電話やFAXの時代には事細かな情報は相手が混乱したり間違ったりするので「大事な要件は電話で済ますな」と言われてました。大事な事は「会って直接話せ」というわけです。


ところが現代はリモートしかり、動画など、記録された情報をお互いが簡単にシェアするような時代です。とある小学生の子供で、野球をやっているのですが、体の使い方がどう見てもプロ選手のそれでして、「スーパー小学生」として紹介されていました。その子は特に有名なチームで指導を受けているわけではなく、主にYouTubeやインスタなどでプロの体の使い方を見様見まねで覚えたようです。


びっくりしました。今ってそんな時代なのだと。


仕事を教える時、昔は「オレがやってるのを見て盗め(覚えろ)」と言ってたようですが、今、そんな教え方しても人材は育ちません(笑)。現代人は「教わることに慣れてしまっている」のです。


「マニュアルってないんですか?」「じゃ、自分で調べときます」


こういった答えがよく返ってきますので、教える方も「マニュアル作っておこう」ってなりがちですよね。ただ、簡単な作業の流れをマニュアルで説明するだけなら良いと思うのですが、全ての情報を詰め込むのはどうかと思います。また、それをより分かりやすく細かく、説明していくのも。


若い人ほど、多くの情報を知りたがります。細かく、より正確に。一度に知りたがります。


教える側からすると「いっぺんには無理だよ」といっても勝手に進んで、間違った技術を覚えてしまいがちです。


何故か?


多くの情報を知りたがるのに、その情報を処理できていないからです。


先ほどの小学生の子を例にすると、彼は正しい体の使い方を習得できましたが、同じようにやっても間違った体の使い方を覚えてしまった子はそれを矯正するのに多くの時間をかけなくてはなりません。一度、間違った知識をインプットしてしまうと、本当の間違いに気づくのに時間がかかるという事です。


僕はラテアートやカプチーノの作り方を教える時、スチームの加減や、ミルクフォームの作り方をざっくりとしか説明しないことにしています。そしていつも「大事なのは正しくエスプレッソが抽出できているかどうか」だと言います。ドリップの場合は「常に豆の状態を把握すること」だと教えます。


教えてもらってる方が「???」ってなっているのがわかりますが、それ以上の説明はあまりしません。教える情報は少ないんです。


ヒトの脳は一度に処理できる情報に限界があります。そしてその情報をもとに行動しようと思ってもすぐにはできないのです。情報はシンプルに少しずつです。そうしないと人は表面だけでインプットとアウトプットを繰り返してしまい、結局のところ「考える」という最も大切なことをやめてしまうのです。


失敗したくないから多くの情報を得ようとしていませんか?そしてその中から有意義なものだけを選別しようとしていませんか?


そんなことに時間や労力を使う事こそ「無駄」です。


人が間違わないように多くの情報を提示する事は間違っています。書いてあることを見落とすことは見る側の責任ではなく、見せる側の責任です。聞くことも、話すこともそうです。つまりはアウトプットする側に問題があるという事です。


大まかに、ざっくりと説明し、考えさせ、経験させ、感覚として覚えさせる。


そうやって磨かれるのが本当の「感性」なのだと思います。

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