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トンボ

  • cou
  • 2019年9月3日
  • 読了時間: 2分


9月に入り、蝉の声もあまりしなくなると、夏も終わりですね。。。

今年の夏も暑かったです。まだまだ気温の高い日もありますが、徐々にお日様の照り具合(?)が和らいで、時折吹く風がどこか秋を感じさせてくれます。


年齢を重ねると、これといった夏の思い出がないので困ってしまうのですが、よくよく考えたら帰省や旅行でも行かない限り、生活サイクルに変化はないわけで、ただ暑い中通勤して働いてるだけですよね、一般的には。


そうか、だからないんだ、夏の思い出。


いや、いや、何かあるでしょ、何か、、、


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8月も終わろうかというある日、一匹のトンボを見つけました。しかも街のど真ん中で。カラスやハトはよく見かけるのですが、トンボは、、、ないですね。


珍しいなと思い、暫く見ていると、何やらおかしな動きをしています。何度も水たまりに尾っぽを付けているんです。


「あぁ、産卵してるのか、、、」

「え?でもそこ、ただの水たまり、明日には消えちゃうよ、、」


トンボは何度も何度も、リズミカルに尾っぽを付けます。


周りに目を移すと、いつもの騒がしい風景が目に入ってきます。大型スクリーンに映されたCM、誰かが歌う音楽、クラクションや若者の奇声、、、いつもの都会の日常です。


そして考えてみるに、今ここで一番日常的でないのがこのトンボなのです。




誰も命のことを思ったりはしないですよね?都会のど真ん中で、昼下がりに。

でも、考えずにはいられない時間でした。


私たちの繁栄は、実はこんな小さな生き物の犠牲の上にあるんですよね。

多くの自然を壊して、人間は自分たちにだけ都合の良い生活圏を作り上げてきたのです。

そして、みんな忘れてしまうんです。こんな命のことなんて。


コンクリートに囲まれた都会であのこが命を繋げる場所は水たまりしかなかったんです、、、



どれだけの人が、見たのかはわからないけど、


僕は、僕だけは見たよ。


一生懸命に生き、命を繋ごうとするきみの姿を。


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